{curiosity}機関車用の大井戸

上総中野駅の近くに機関車用の井戸がある。取材中にどこかのパンフレットで見かけて興味をもちました。

機関車用の井戸とは何なのか — 答えを探しに実際に井戸を見に行ってみることにしました。

西陽が低くなりだし、夏の虫の合唱が始まった時間に、上総中野駅に着きました。この日はちょうど草刈りがあったよう。辺りに漂う草の香り。草刈りのおかげもあるのか、井戸はすんなりとみつかりました。

近くに寄り中を覗き込むと、数匹泳いでいる金魚が。

井戸に絡みついた蔦が日陰になり、気持ちよさそうです。

金魚を見ていると視線を感じたので振り返ると、井戸脇の木がつくる木陰で休む猫。

この場所が気持ちのよい場所と感じるのは、金魚も猫も僕もみんな同じようです。

井戸はみつかりましたが、まだこの井戸の役目を解明できなかった僕は、畑作業中の男性に声をかけました。その男性によれば、かつて機関車がここへ着くと、人力でこの井戸から水を機関車に運んだのだそう。運んだ水が燃やされた石炭によって蒸発して、その蒸気を使って機関車を動かしていたんだと教えてくれました。

男性は他にも、いすみ鉄道は木原線と呼ばれていたこと。それは木更津と大原を結ぶ予定だったからつけられた名前だということ。でも上総中野駅から先には延びなかったこと。それから小湊鉄道は鴨川の小湊まで延びる予定だったからつけられた名前だということ。でも上総中野駅から先には延びなかったことを教えてくれました。

そして、男性の両親から聞いた話として、上総中野駅に蒸気機関車が初めて停まった日、一生で一度も乗れないだろうから、ひと目お目にかかりたいという人が駅に大勢集まったということも教えてくれました。